1990年代にタイで味わったコーヒー
私は海外旅行が好きでタイには数十回は訪れている。
初めてタイに行ったのは1990年後半の頃で、バンコクに行きました。
当時、私は「朝はコーヒー」という習慣があり(今も多いが)
毎朝コーヒーを飲んで目覚めるという事が日課であった。
当然、タイへの旅行先でもコーヒーを飲むのだが
そのコーヒーは、のけぞるほど甘かった。
屋台とも喫茶店ともいえる、外で低いプラスチック製の椅子に座る店で
コーヒーを注文すると
コンデンスミルクをガラスコップの底に2センチほど流し込み
そこに甘い味の付いたコーヒーを注ぎ込むというものだった。
コーヒーにミルクを入れると更に甘くなる。
ミルクそのものが甘いのだ。
生の牛乳を保存する冷蔵庫、電気が無く腐らせない為に
ミルクの中にも存分の砂糖が入っていたのだと思う。
その超甘いコーヒーをスプーンでくるくる回してコンデンスミルクを溶かし
目覚めの身体に染み込ませるというもので、
朝から暑いタイの気候の中で、たっぷり汗をかきながらホットコーヒーを飲む事は
どこか麻薬にも似た刺激と中毒性があるようにも思えた。
毎朝、その超甘いコーヒーを飲んでいると
コンデンスミルク無しでは生きていけない体になりそうであった。
缶コーヒーも同様である。
メーカーやラベルは忘れたが、昼間の移動時に暑いので
水分補給に缶コーヒーを買って一口飲んだ時は吐き出しそうになった。
まるでコンデンスミルクを飲んでいるのかと思ったほどの甘さだ。
噂によると日本の10倍の砂糖が入っているとも聞いたことがある。
そんなコーヒーも今は無いのではなかろうか。
現在のタイのコーヒー
タイも経済成長が進み大きく文化が変わった。
1990年代から考えると日本の50年の成長を20年で成し遂げたような感覚で
急成長で近代化したようなものと感じる。
コーヒーも同様で欧米文化が入ってきて
カプチーノやカフェラテをタイの田舎でも普通にメニューにある。
スターバックス等、大手のコーヒーメーカーも乱立している。
昔はそんなものは無かった。
喫茶店(屋台)では「コーヒー」の一択であった。
タイ人の健康志向も高まり、糖分を抑える意識も高まり
現在は、超甘いコーヒーはどんどん無くなっていったのだろう。
今、当時の超甘いコーヒーを出している店には出会わない。
最近のタイ人の中では冷たいカプチーノが流行りで
「カプチーノ」+「イェン」(イェン=タイ語で冷たいという意味)
「カプイェン」という呼び名の冷たいカプチーノが飲まれている。
昔、汗をダラダラかきながら屋台のプラスチックの椅子に座って飲んだ
超甘いコーヒーが懐かしいものだ。
なぜタイのコーヒーが甘かったのか
なぜ、タイのコーヒーがあんなに甘かったのか調べてみました。
糖分(砂糖)には身体を冷やす効果があるらしく
暑い国、タイでは糖分(砂糖)たっぷりのコーヒーが多かったそうです。
そういえばタイに限らず、暑い国では糖分(砂糖)たっぷりの飲物が多いですね。
健康志向の高まり、糖尿病の予防、ダイエット、エアコンの普及など
様々な要素が重なり、糖分(砂糖)たっぷりの飲物が無くなっていったようです。
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